Windowsを使っていると、アップデートやドライバ更新後に「思わぬ不具合」が起きることがあります。
そんな時に役立つのが KIR(Known Issue Rollback) です。
簡単に言うと、Windowsで発生した既知の問題(Known Issue)だけを、安全に元の状態に戻す仕組みです。
- 「Known Issue」= 既に確認されている問題やバグ
- 「Rollback」= 元の状態に戻すこと
つまり、Microsoftが把握している不具合を、ユーザーの操作なしで自動的に修正できる機能だと覚えておくとわかりやすいです。
🔹KIRが必要になった背景
Windowsは新機能追加やセキュリティ強化のため、定期的にアップデートが配信されます。
しかし、どんなにテストをしても、特定の環境では以下のような不具合が起こることがあります。
- 印刷できなくなる
- アプリがクラッシュする
- ネットワーク接続に問題が出る
従来は、ユーザーや管理者が手動で問題のある更新をアンインストールする必要がありました。
企業環境では数百台~数千台のPCがあり、手作業では非効率です。
そこでMicrosoftは、KIRで問題のある更新だけを安全に元に戻す仕組みを導入しました。
🔹KIRの仕組み
- 不具合の特定
- Microsoftが更新プログラムやドライバで発生した不具合を確認
- 「Known Issue」としてリスト化
 
- KIRの配信
- 問題を修正するための設定やパッチをWindows Updateで配信
- ユーザーには自動的に適用されます
 
- 元の状態にロールバック
- 影響のある更新のみを対象に、安定した状態に戻す
- 他の更新やセキュリティには影響を与えません
 
特徴:
- 対象限定:問題のある更新だけを戻す
- 無停止・低影響:ユーザー操作やアプリ停止は最小限
- 自動適用:手動で対応する必要なし
🔹KIRと従来のアンインストールの違い
| 項目 | KIR | 従来の手動アンインストール | 
|---|---|---|
| 対象 | 問題のある更新だけ | ユーザーが更新を選ぶ必要あり | 
| 安全性 | 他の更新やセキュリティには影響なし | 間違えると重要な更新まで削除するリスク | 
| 手間 | 自動で適用 | 手作業が必要 | 
| 利用シーン | 個人・企業問わず | 個別トラブル対応 | 
🔹KIRのメリット
- 問題解決が早い
 不具合が確認され次第、自動で修正される
- セキュリティを維持
 問題部分だけを戻すため、他のセキュリティ更新は保持
- 管理者負担の軽減
 企業環境でも手作業対応が不要になり、IT運用が効率化
🔹KIRの注意点
- すべての不具合に対応するわけではない
- Microsoftが把握している既知の問題のみに適用
 
- 即座に効果が出ない場合もある
- 適用後に再起動やアプリの再起動が必要な場合があります
 
- 情報の確認は公式サイトで
- KIRの対象や更新内容はMicrosoft公式ドキュメントで確認可能
 
🔹まとめ・ポイント整理
- KIRは Windowsの既知の不具合を元に戻す安全な仕組み
- 従来の手動アンインストールより 安全・効率的
- 不具合の影響を最小限にしつつ セキュリティ更新を保持
- 個人・企業問わず、更新トラブルへの備えとして重要
📘用語解説
- KIR(Known Issue Rollback):既知の不具合がある更新だけを元に戻すWindowsの仕組み
- Known Issue:既に確認されている問題やバグ
- Rollback:更新や変更を元の状態に戻すこと
- Windows Update:Windowsのアップデートを管理・配信する仕組み
- ドライバ:PCと周辺機器をつなぐソフトウェア
 
 
 
 
 
 

