生活習慣病とは?
**生活習慣病(Lifestyle-related diseases)**とは、食事・運動・睡眠・喫煙・飲酒など、毎日の生活習慣が原因となって発症する病気のことです。
つまり、生活の積み重ねがそのまま健康に影響する病気の総称です。
特定の病気を指すのではなく、「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症(高脂血症)」「肥満」など複数の疾患を含みます。
日本では成人の死亡原因の多くが生活習慣病に関連しており、**「防げる病気」でもありながら「放置すると命に関わる病気」**として大きな課題になっています。
主な生活習慣病の種類と特徴
■ 糖尿病
血糖値(血液中の糖の量)が高い状態が続く病気。
原因はインスリン(血糖を下げるホルモン)の分泌不足や働きの低下です。
- 主な原因:食べすぎ・運動不足・肥満
- 放置すると:心筋梗塞・脳卒中・腎臓病・失明などの合併症リスクが高まります。
■ 高血圧
血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。
血管に常に負担がかかるため、将来的に心臓病や脳卒中を引き起こすリスクがあります。
- 主な原因:塩分の取りすぎ、ストレス、運動不足、肥満
- 放置すると:動脈硬化・心不全・脳卒中などの危険性が高まります。
■ 脂質異常症(高脂血症)
血液中のコレステロールや中性脂肪のバランスが崩れる病気。
血管に脂肪がたまりやすくなり、動脈硬化を進行させます。
- 主な原因:高脂肪食・肥満・運動不足
- 放置すると:心筋梗塞や脳卒中のリスク上昇。
■ 肥満
体脂肪が過剰に蓄積された状態。
特に内臓脂肪型肥満は、糖尿病・高血圧・脂質異常症を引き起こすリスクが高いです。
- 主な原因:食べすぎ、運動不足、夜更かし
- 放置すると:複数の生活習慣病を合併する恐れがあります。
■ 心血管疾患
心臓や血管に関わる病気(心筋梗塞・狭心症・脳卒中など)。
複数の生活習慣病が重なることでリスクが増加します。
■ 慢性腎臓病(CKD)
腎臓の働きが少しずつ低下していく病気。
糖尿病や高血圧が原因となることが多く、悪化すると人工透析が必要になることもあります。
生活習慣病の主な原因
生活習慣病は、日々の習慣の積み重ねによって生まれます。
特に以下の項目はリスクが高い要因です。
- 食生活の乱れ:高カロリー・高脂肪・高糖質・塩分過多、野菜不足
- 運動不足:デスクワーク中心の生活で筋力・代謝が低下
- 喫煙:血管を傷つけ、心血管疾患のリスクを上げる
- 過度の飲酒:肝臓への負担や肥満、血圧上昇につながる
- ストレス・睡眠不足:ホルモンや自律神経の乱れにより血糖・血圧が不安定に
生活習慣病を予防する方法
生活習慣病は、「正しい生活習慣」を続けることで防ぐことができます。
食事の見直し
- 野菜・果物・魚・穀物を中心に、栄養バランスを意識
- 塩分・脂肪・糖分を摂りすぎないように注意
適度な運動
- ウォーキングや筋トレなどを週150分以上行うのが理想
- 通勤時に階段を使うなど「小さな運動」から始めてもOK
体重管理
- BMIを22前後に保つのが目安(※理想的な健康体重)
禁煙・節酒
- 喫煙は心臓病やがんの大きな原因
- 飲酒は1日あたり純アルコール20g以下を目安に(例:ビール中瓶1本ほど)
睡眠とストレスケア
- 睡眠は1日7時間前後が理想
- 音楽・趣味・散歩など、自分に合ったリラックス法を見つけましょう
まとめ:生活習慣病は「日々の積み重ね」で防げる
生活習慣病は、放置すると命に関わる病気ですが、生活の改善だけで予防できる可能性が高い病気です。
今日からできる小さな工夫が、10年後・20年後の健康を守ります。
ポイント整理
- 偏った食事・運動不足・喫煙・過度の飲酒が主な原因
- 食事・運動・睡眠・ストレス管理を整えることが最大の予防策
- 早めの意識と行動が「健康寿命」をのばすカギ
用語解説
- 生活習慣病:生活習慣(食事・運動・睡眠など)が原因で発症する病気。
- インスリン:血糖値を下げるホルモン。糖尿病では分泌不足や効きが悪くなる。
- 脂質異常症:血液中の脂肪(コレステロール・中性脂肪)のバランスが崩れる状態。
- 動脈硬化:血管が硬くなり、詰まりやすくなる状態。心筋梗塞や脳卒中の原因になる。
- BMI:体格指数。体重(kg)÷身長(m)²で計算される。


